雨の夜、駅での出来事です。
電車に乗った人は皆、傘を持っていました。
電車が駅に着き、我先に階段を下りていく人の波に向かって
階段の上から一人のおばあさんが声をかけました。
「かさ!かさ!」
階段を下りる人の中に、傘を置き忘れた人がいたのでしょう。
その傘を手におばあさんは大きな声で叫びましたが、誰も振り向きません。
すると、ちょうどおばあさんの下あたりを通っていた男性が傘を受け取り、
「どの人?!」
おばあさんは
「その、髪の長い、白い服の女の人!」
と指をさして叫ぶと、男性はその女性を追いかけて傘を手渡しました。
わざわざ声を掛けたおばあさんの優しさを、見ず知らずの男性が受け取り、
繋いだ≪優しさの連携プレー≫を見ました。
とても心が温まった出来事でした。