毎年、クリスマスが過ぎて年末に差し掛かる頃、
母は昼夜毎日ほとんど台所に立ちっぱなしで、「おせち料理」の準備をします。
正直に言ってしまうと、
「おせち料理」というものは、自分にとってけっして特別おいしいものには思えず、
家族もあまりたくさんは箸がすすんでいません。
わかっているのに。それでも毎年毎年作る母。
なぜだかよくわかりません。
「カレーとか、今年は簡単なものでいいよー。」
「そうだねー。」
そう言っても、やっぱり毎回作ってくれるのです。
材料の準備、下ごしらえだけでも、ものすごく大変。
しかもあまり家族に人気が無い。。。。
それなのになぜ作るのか。
母に聞きました。
「おばあちゃん(母の母のこと。)がせっかく自分に教え遺してくれたものだから。」
また、祖母から母への教えはこうだったそうです。
『日本の季節行事にはどれもおおきな意味がある。
お正月から、節分、花見、ひな祭り、端午の節句、七夕、月見 etc。。。。。。。。
家族の健康や成長祈願はもちろん、それ以上に隠れた大きな意味は、日常の嫌な出来事や
疲れた心、荒れた気を癒し、定期的に穏やかな心を取り戻すため、昔の人が考えた、
〔暮らしの工夫〕なんだよ。』 と。
たしかに季節行事はどんどん簡略化され、忘れてしまい、
息つく間もなく多忙な日々に追われて私たちは過ごしています。
日常での荒んだ心を軌道修正するため、上手に日常を乗り切るための、
日本の先人たちの「暮らしの知恵」が、こうした季節文化になったのだ。。。。
と、感心してしまいました。
日本の先人たちの「暮らしの知恵」が、こうした季節文化になったのだ。。。。
と、感心してしまいました。
畑中