熱海駅前店の伊藤です。
優しい心に触れ、いろいろと考えるきっかけがあったお話です。
先月、思いがけない入院生活の中で、4人部屋で約1週間を過ごしました。
薄いカーテン越しには、様々な人間模様が見え隠れしていましたが
痛みもあり、あまり関わることもなく、毎日を過ごしておりました。
その中で、一番症状が大変そうな方が、斜め前にいらっしゃり、
それでも穏やかに、時間を過ごされていました。
退院当日の朝、天気も良く、カーテンを開けてその方とお話するきっかけがありました。
短い時間の中で、入院のきっかけ、これまでの病気のこと
淡々とお話され、それでもとても穏やかなその方に、とても惹かれました。
そして、ずっと本を読んでいた私に気づかれていたらしく
一冊の本を貸してくださいました。
「絵本だからすぐ読めるわよ。人によって解釈もいろいろなの。」
「おおきな木」
ご存知の方も多いかと思います。
小さな男の子が老人になるまで
無償の愛を注ぎ続ける、リンゴの木のお話です。
私は、村上 春樹さんの訳本を読ませて頂きましたが
おそらく、読む方の置かれている状況、年齢や性別によっても
受け止め方が様々な、内容です。
望みのまま与えることは、優しさなのか、
ただ見守ることが時には、優しさなのではないだろうかと。。
優しとは何か、相手を思いやるという事はどんなことなのか
自らを振り返って、考えさせられる本です。
私は、この方の優しい心に触れて、とても温かな気持ちで退院ができ
かつ、この本を知ったことで、改めて、人に対しての距離感を
考えるようになったと思っています。
今回は、私が受けた親切心をご紹介しました。
頂いた温かな親切な心は、また別の形で、他の方へ伝えていかなければ。。