2015年10月28日水曜日

温かな心のバトン

熱海駅前店の伊藤です。
優しい心に触れ、いろいろと考えるきっかけがあったお話です。

先月、思いがけない入院生活の中で、4人部屋で約1週間を過ごしました。
薄いカーテン越しには、様々な人間模様が見え隠れしていましたが
痛みもあり、あまり関わることもなく、毎日を過ごしておりました。

その中で、一番症状が大変そうな方が、斜め前にいらっしゃり、
それでも穏やかに、時間を過ごされていました。

退院当日の朝、天気も良く、カーテンを開けてその方とお話するきっかけがありました。
短い時間の中で、入院のきっかけ、これまでの病気のこと
淡々とお話され、それでもとても穏やかなその方に、とても惹かれました。
そして、ずっと本を読んでいた私に気づかれていたらしく
一冊の本を貸してくださいました。

「絵本だからすぐ読めるわよ。人によって解釈もいろいろなの。」

「おおきな木」

ご存知の方も多いかと思います。
小さな男の子が老人になるまで
無償の愛を注ぎ続ける、リンゴの木のお話です。
私は、村上 春樹さんの訳本を読ませて頂きましたが
おそらく、読む方の置かれている状況、年齢や性別によっても
受け止め方が様々な、内容です。

望みのまま与えることは、優しさなのか、
ただ見守ることが時には、優しさなのではないだろうかと。。

優しとは何か、相手を思いやるという事はどんなことなのか
自らを振り返って、考えさせられる本です。

私は、この方の優しい心に触れて、とても温かな気持ちで退院ができ
かつ、この本を知ったことで、改めて、人に対しての距離感を
考えるようになったと思っています。

今回は、私が受けた親切心をご紹介しました。
頂いた温かな親切な心は、また別の形で、他の方へ伝えていかなければ。。